皮膚病について
下記のような症状があるときは、お近くの皮膚科専門医にご相談ください。
アトピー性皮膚炎|毛虫皮膚炎|帯状疱疹|男性型脱毛症(AGA)|ニキビ|単純ヘルペス|乾 癬
アトピー性皮膚炎
強いかゆみを伴う湿疹が1ヶ月以上続いて自然には治りにくい疾患です。
ホコリやダニに対するアレルギーと生まれつきの乾燥肌が原因と考えられています。
日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」に従って、子供の頃から適切な治療を行えば改善しますが、急に悪化したり、大人になっても治らないため悩んでみえる人がいます。
それは、湿疹に感染症をおこしていたり、ストレスで肌を掻きむしってしまうことが原因になっていることが多いです。
皮膚科専門医は皮膚症状から原因をつきとめて適切な治療を行います。
毛虫皮膚炎
毛虫皮膚炎は、ドクガ、チャドクガ、イラガなどの幼虫(毛虫)が持つ毒針毛に触れることで発症します。
毛虫は春から夏にかけて庭のサザンカやツバキに発生し、時には風にのって屋外に干した洗濯物に付く場合もあります。
毒針毛に触れた数時間後に強いかゆみを伴った赤い皮膚炎が生じます。
むやみに掻いてしまうとさらに強い炎症が起こるので、毒針を取るために石けんで軽く洗って、できるだけ早く皮膚科を受診してください。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)
顔や頭、体の右か左の半分にピリピリと痛みのある発疹や水ぶくれができる皮膚病です。
高齢者に多く、身体が疲れているときに発症しやすくなります。頭や顔にできると、髄膜炎や顔面神経麻痺、角膜炎などが起こるので注意が必要です。
原因は、子供の頃にかかった水ぼうそうウイルスの再発なので人から伝染はしません。
のみ薬、ぬり薬や注射薬で特効薬があるのでお近くの皮膚科を受診して下さい。
治療が遅れると、ピリピリした神経痛が長引くことがありますので早めに受診しましょう。
男性型脱毛症(AGA)
男性型脱毛症は、成人男性によくみられる髪の毛が薄くなる状態のことで、一般的に「遺伝」や「男性ホルモンの影響」などが主な原因と考えられています。
症状としては、思春期以降 に額の生え際や頭頂部の髪がどちらか一方、または双方から薄くなっていくのが特徴です。
男性型脱毛症は、抜け毛・薄毛がゆっくりと進行していきます。時間の経過とともに進行していくため、早めのケアが大切です。
ニキビ
ニキビは思春期の男女の顔、胸、背中によくできる毛穴の炎症が続く皮膚病です。
白ニキビや黒ニキビは、面皰(めんぽう・コメド)と言い、毛穴に皮脂や角質がつまった状態です。そこにニキビ菌が増えて炎症をおこすと赤ニキビになります。
炎症がひどい場合は、ニキビ痕が顔に残りますので早めの治療をお勧めします。
皮膚科では、症状や年齢、性別にあわせて、ぬり薬とのみ薬で治療をし、洗顔などのスキンケアと食事などの生活指導を行います。
単純ヘルペス
単純ヘルペスウイルスの感染で起こり、ピリピリとした痛みとともに数個の水ぶくれや赤い発疹が現れます。口の周りのできるものを口唇ヘルペス、性器周辺にできるものを性器ヘルペスと呼びます。
感染力が強く人と人との皮膚接触のほか、唾液やタオルなどを介して感染することがあります。一度感染するとウイルスは体内の神経節細胞に潜伏し、風邪や疲労、紫外線、ストレスなどがきっかけとなり再発します。
またアトピー性皮膚炎などの皮膚症状がある場合、傷ついた皮膚から皮膚へウイルスが感染し、病変が広範囲におよびます。治療が遅れると発熱をともない重症になることがあり注意が必要です。この病気には抗ウイルス薬(外用剤、内服薬)という特効薬を用います。性器ヘルペスを繰り返す場合には再発抑制療法もあります。
【杉本恭子】
乾 癬
30歳代で発症し、男性に多く、慢性に経過する皮膚病です。伝染はしません。
症状は、頭、肘、膝など摩擦刺激の多いところに、赤く肥厚した発疹が多発し、銀白色の大きなフケが次々に剥がれ落ちるのが特徴です。時には全身に広がったり、膿(うみ)を持ったり、関節痛を伴ったりします。
ステロイドやビタミンDの塗り薬と内服薬、注射薬を組み合わせて治療します。喫煙や肥満が悪化原因になるので生活習慣の改善が必要です。早めに治療を始めるために皮膚科へ受診してください。【山中恵一】